西所沢で食べたモツ煮込みの思い出と、人のいいマスター

以前埼玉の所沢で食べた思い出のモツ煮こみがある。

 

当時東京の大学に通っていた友人に会う為、電車を乗り継いで西所沢駅に向かっていた。

長旅で疲れていた私は、パッと探した弘法の湯という銭湯で汗を流した後、所沢を大きめのボストンバッグを片手にブラついていた。

夜の7時半ごろだったと覚えている。

まだ友人との約束の時間まで余裕があり、小腹もすいたので、

どこか軽く食べられるお店はないかと探した。

しかし住宅地の真っただ中で、入れるレストランも見つからず、しばらく歩いていた。

 

 

ふとすると、”ポツン”と光る居酒屋の置き看板が目についた。

だいぶ歩いたしここでいいか、と思って階段を下った。

お店の中に入り、すいませーんと声をかけると、キッチンから武藤敬司似のコワモテのマスターが出てきた。

入る店を間違えたと正直に思ったが、マスターが「そこ、どうぞ」と呟くように丸椅子を指差したので、逃げると追いかけられると思い促されるまま席に座った。

 

ボストンバッグを座った隣の席に置いた際、「すごい大きい荷物だねェ」とマスターが言った台詞が、

完全に怖い店に入ったと思った私は”邪魔だからどけろヨ、てめえ”と脳内変換してしまい、

すいません!すいません!どかします!と慌ててバッグに手をかけると、

「いやいやいいよ!そこ置いといて!」とマスターが制してくれた。

あれ、意外といい人なのか?と思って、メニューを見たらビール瓶とおつまみの付いた晩酌セットが500円、安っと思って、

それを頼んでから、もう一品欲しいなと思って店内の張り紙メニューを眺めていると、そこでモツ煮込みが目についた。

 

モツ煮込みを頼んでから、ほどなくして晩酌セットを出してくれた。

おつまみはツナパスタで、素朴な味で美味しかった。

しばらく飲んでいると、仕上げたモツ煮込みをテーブルに持ってきてくれた。

そこで食べたモツ煮込みがあったかくてすごい美味しかった。

私の地元ではモツ煮込みを言えば味噌味しかないと思い込んでいたんだけど、そこのは塩味で、モツの他にはネギと、驚いたのは鶏の砂肝が入っていた。

食べてみるととてもダシが効いていた。

マスターと「どこから来たの?」と世間話をしてとても良くしてもらい、そこから別れて友人と合流した。

 

東京もついでに観光したけども、一番もう一度行きたいと思うのはそのお店だ。