2023-12-27 空っ風が吹く冬 エッセイ 子どもの時分は、この冷たい風が好きだった。 母がスーパーで新しくトレーナーを買ってきてくれるから キャラクターものの、少し大きめなトレーナー。 寒いからって、ジャンパーと手袋もつけてきなさいって、 体を包むように着込ませてくれて、 校庭で遊んでから家に帰ると、石油ストーブがぼうぼうと鳴って空気が柔らかくなるように暖かかった。 だから好きだった、空っ風は。