叔父の墓は、その地域の墓の中で更に上の方にある。
墓たちの山の斜面だけ木がなく生い茂った葉の隙間から陽の光が一筋当たっている。
まるで天空に居る神がいつでも覗けるように。
ふもとから私は山道を這うように叔父の墓まで登った。
途中まではブロックも続いているのだが、叔父の墓の手前はもはやブロックもなく荒れだったけものみちがあるだけ。
ここで落ちて頭を打って死んだら私も神様に拾ってもらえるのかと思ったが
洒落にならないので文字通り死ぬ気で登る。
叔父の墓には花と好きだったカップ酒が供えてあった。
おそらく娘さんが参ったんだろう。
私はあの世でも悪酔いしないよう水を供えといた。
そして再び命の危機に晒されながら下山したのだった。
叔父には悪いがこれでまた1年来なくていいと思うと気が楽になる。
私は中年だがこの先いつまで来れるのだろうかとふと考えてしまった。